学派や療法の違い

 

 日本の場合、同じ「臨床心理士」「公認心理師」であっても、提供出来る心理療法がかなり異なります。

 

 そして各心理療法は、それぞれに非常に大きな違い(特徴)を持っています。

 

 英国ですと、臨床心理士が行う心理療法は認知行動療法となりますが、日本の場合、各臨床家によって用いる療法が異なります。

  

 良く言えば百花繚乱といったところでしょうか。

 

 ここには、学派の違い、学習歴の違い、好みの違いが反映されます。

 

 日本にも精神分析(フロイト派と、以降も発展し続ける各学派)を好む臨床家は多く存在します。

  

 世界的には珍しいのですが、日本では、分析心理学(ユング派)も多くの臨床家に好まれています。箱庭療法を用いるということが分かりやすい特徴でしょうか。

  

 フロイト派もユング派も無意識を扱いますが、前者は個人的無意識を、後者は集合的無意識を主に扱う、といった違いがあります。

 

 また、認知行動療法にも、多くの下位分類があり、ワークシートを書きながら進む場合もあれば、マインドフルネスのようにボディワークを行う場合もありますし、より認知的な療法も、より行動的な療法もあります。

 

 なお、認知行動療法に関しては、どの臨床家が行っても同じ成果が出ると思っておられる方も居るようですが、これは誤解です。

 

 重要なことは、各学派、各心理療法で、そして各臨床家で、まったくの別物と言えるほどの差異すらありえる、ということです。

 

 よって、提供される心理療法と、それを受ける個人の組み合せにより、「合う/合わない」は出て来ると思います。

 

 もし、「合わないな」と感じても、それは全ての心理療法が合わない訳ではなく、「その施設/臨床家が提供するその心理療法」が合わないだけかもしれません。

 

 その臨床家と個人的に合わないだけ、という可能性もあります。

 

 いわば相性の問題です。

 

 これは当然、当方を含んだどの施設でも生じ得ます。

 

 合わないと感じた時は、遠慮せず、まさにそのことを心理療法のテーマとしてみてください。

 

 臨床家は一緒に考えるはずです。

 

 そこから突破口を見い出せることもあるでしょう。

 

 むしろ突破口が開けることが多いかもしれません。

 

 それでもやっぱり合わないな、違うな、と思ったら、他の施設/臨床家に変えてみるのも1つです。

 

 例えば、認知行動療法を希望しているのに、夢分析や箱庭しか提供されない(またはその逆)といった場合などが当てはまるかと思います。

  

 おそらく、全ての心理療法、全ての心理臨床家が「合わない」という事はないでしょう。

 

  

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